今日はバレンタインデーなので、やはりそれにちなんだ話題を書かないわけにはいかないと思ってペンを執り…などと書き出すとなにやら格好がいいかもしれませんが、なかなか進まない大きな翻訳案件から逃げて…いえいえ、仕事の合間のリフレッシュを…
それはさておき、2月14日のバレンタインデーというのは Valentinus(ヴァレンティーヌス)という聖人・殉教者の日という意味ですが、その名の聖人は一人ではなく複数います。有力候補は3世紀のテルニ司教(269年2月14日死亡)です。ヴァレンティーヌスの追悼日として導入したのはローマ教皇 Gelasius I.(ゲラジウス1世)で、469年のことでした。1969年にはカトリック教会の聖人暦から外されましたが、それでも今なお夫婦を祝福するミサが場所によっては行われているそうです。
詳しい起源はともかく、2月14日は中世以来「恋人達・夫婦達の日」であったことは確かです。その祝われ方は国によって違います。チョコを贈るのは日本のチョコレート業界のマーケティング戦略によるものですが、ドイツでは多くの場合、男性が女性に花を贈ります。このため、ドイツではバレンタインデーは生花業界の発明だと思っている人が少なくありません(16%)。
とはいえ、チョコが全然贈られないのかというと、そういうことでもなく、ドイツ語ではPraline プラリーネと呼ばれるアーモンドやリキュールの入ったチョコボンボンのようなものはよく贈られるようです。日本ではフランス語風の発音の「プラリーヌ」の方が知られているかもしれません。
バレンタインデーの贈り物トップ3は、花(76.6%)、甘いもの(62.9%)、手紙やカード(45.2%)です。この後に、
ロマンチックなディナー 33.6%
音楽 27.7%
服・身の回り品 25%
香水等 24.9%
アクセサリー 23.1%
商品券 22.9%
下着 10.8%
と続きます(2016年の調査)。
ところで、パートナーがいれば、必ずバレンタインデーにプレゼントをするのかというと、そういうわけでもなく、なにも贈らないという人が48%もいるようです。一方で、女性の53%は「バレンタインデーに何もプレゼントされなければ、パートナーとの関係は終わりにする」と考えているのだとか。このあたりに少し男女間のすれ違いが透けて見えてきますね。
ちなみに、2月には、3分毎に1組が結婚するのだそうですが、2月14日のバレンタインデーに結婚したカップルは、それ以外の日に結婚したカップルよりも45%も離婚率が高いという統計もあります。結婚に夢を抱きすぎた結果ということなのかもしれませんね。
女性の「がっかり」を示す統計として、女性の希望するプレゼントのトップが実は、旅行や一緒に過ごす週末だというものが挙げられます。しかし、実際に贈られるのはマンネリの花束ということなんですねぇ。
うちは私の誕生日がバレンタインデーの2日前ということもあり、プレゼントはもらったことがありません。誕生日が日曜日に重なったり、うっかり忘れたりという場合に限って、遅れたお詫びも兼ねて14日に花束を買ってきて恭しく私にお供えするということはたまにありますが。今年はロックダウンで花屋が閉まっているという言い訳で、どちらも何もありませんでした。まあ、期待してませんのでいいんですけど(笑)
お店が閉まっているので、余計にオンラインショッピングが業績を伸ばしています。2018年の統計ではありますが、どんなものがバレンタイン商戦の時期にどのくらいの頻度で購入されているかを表すものがあります。
必ずしもプレゼントとして購入されているわけではなく、自分用の購入もかなりあると思いますが、香水が8秒に1個売れているのが目を引きますね。プレゼントとして贈ると答えた男性は 24.9%に過ぎないので、このショッピングは自分用がほとんどと見てまず間違いないでしょうね。割引セールになるのでここぞとばかりに注文する感じでしょう。何を隠そう私も買ったことがあります。
香水を人にプレゼントするのは好みもありますので、よほど相手の好みを知り尽くしていないと失敗するリスクも高く、意外と難しいと思います。シャネルなどのブランドものならいいのかというと、それも人によりけりでしょうしね。
Halskette ネックレスが1.5分に1つ、Ring 指輪も3分に1つ買われているのも自分用じゃないかという気がします。アクセサリーを贈り物にすると答えた男性は 23.1%だけですから。
そして、シャンパン類に並んで4分毎に1つ買われているのが Vibrator バイブだというのが興味深いですね。ロマンチックなディナーの後の愛のお楽しみのためのアイテムということでしょうか。さらに12分毎に1つ買われているのが妊娠テスト。実に Liebe 愛にあふれてますね。
このため、シングルにはやはりつらい時期となるようです。日本ならクリスマスイブのシングルという感じでしょうか。パートナーの有無にかかわらずに行ったアンケート調査によると、回答者の40%は「Ich hasse den Valentinstag バレンタインデーが嫌い」と回答したそうです。「#HateValentinesDay」というハッシュタグでツイッターでも検索すれば、たくさんの嘆きの呟きがヒットすることでしょう。
では、パートナーのいらっしゃる方もそうでない方もよい一日をお過ごしくださいませ。
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