Die Redewendungen, die diese Woche (KW18/2021) in FB, Twitter oder Note als "Redewendung des Tages" vorgestellt wurden, werden hier zusammengefasst.
1. sich ein Armutszeugnis ausstellen
意味: (自分の)無能ぶりを暴露する。 字義通りには「自分に貧困証明書を発行する」
例文: Mit diesem Vortrag hat er sich ein Armutszeugnis ausgestellt.(訳例:この講演で彼は無能ぶりを暴露した)
Ich würde mir ein Armutszeugnis ausstellen, wenn ich diese Aufgabe nicht meistern könnte. (訳例:この課題をこなせなかったら、私は自分の無能ぶりをさらけ出すようなものだろう)
解説: 前回ご紹介した「Armutszeugnis 貧困証明書」を使ったもう1つの慣用句がこれです。物質的な貧困ではなく、精神的な貧困を証明するというニュアンスです。 「sich」の代わりに、他の人や組織・機関を間接目的語にとると、「誰かの/組織・機関の無能ぶりを暴露する」という意味になります。
2. Arsch
順番からすると「Arsch」なんですが、さすがに毎日一つずつ下品な慣用句を投稿する気にはなれませんので、以前そうした表現をまとめたブログ記事をご紹介させていただくことでお茶を濁し、新しい単語に進みたいと思います。
3. Art und Weise
意味: やり方、方法。
例文: Auf diese Art und Weise hat sie vor einigen Jahren ihr gesamtes Vermögen verloren.(訳例:このようにして彼女は数年前に全財産を失った)
Man hat ihn in einer Art und Weise behandelt, die nur als rüde zu bezeichnen ist.(訳例:人は無作法としか言いようのないやり方で彼を扱った)
Das ist doch keine Art und Weise!(訳例:それは不作法〈この場にふさわしくない〉というものだ)
解説: この慣用句は、2語で1組の Zwillingsformel 双子形式と呼ばれる熟語で、意味的には 同義語・類義語を重ねる Tautologie トートロジーです。 これを「種類と方法」と誤訳している例をたまに見かけることがありますが、トートロジーの説明でもない限りそのような訳は不適切です。あくまでも2語1組で「やり方、方法」を意味すると覚えておいてください。
トートロジーの双子形式は他に「immer und ewig (永遠に)」や「angst und bange(怖い)」など多数あります。
4. nicht die feine [englische] Art sein
意味: フェア(公平)なやり方ではない。 字義通りには「洗練されたイギリス風・式ではない」
例文: Wie du dich benimmst, das ist aber nicht gerade die feine englische Art!(訳例:君の態度はあまりフェアなやり方とは言えないね!)
Diese Verkaufsstrategie mag zwar effizient sein, aber nicht ganz die feine Art.(訳例:この販売戦略は効率的かもしれないが、フェアなやり方とは言い切れないのでは)
解説: この慣用句は、イギリスのスポーツにおける「フェアネス」がかつて有名だったことに由来します。 die feine englische Art が少々長いため、englische(イギリスの)が省略されることも多いです。
5. nach Art des Hauses
意味: 自家製の。 字義通りには「家の方法・やり方に従って」
例文: Unsere Empfehlung heute: Kutteln in Weißweinsoße nach Art des Hauses.(訳例:今日のおすすめは、モツの自家製白ワインソース煮込みです)
解説: よくレストランのメニューなどで見かけるお馴染みの言い回しです。料理以外の分野で使われることは通常ありません。
6. Asche auf mein Haupt sich Asche aufs Haupt streuen
意味: 後悔する、悔い改める、改悛(かいしゅん)の気持を示す。 字義通りには「灰を私の頭の上に」「灰を自分の頭の上にまく」
例文: Asche auf mein Haupt - ich gebe meinen Fehler zu!(訳例:申し訳ございません。私の過ちを認めます!)
Trotz allem sollten wir uns wegen der PISA-Studie nicht immerzu Asche aufs Haupt streuen. - Rede von Johannes Rau, 25.09.2003(訳例:そうだとしても、私たちは PISA 研究の結果のことで絶えず悔い改める必要はありません。ヨハネス・ラウ元独大統領の2003年9月25日の演説より)
解説: この慣用句はキリスト教的な表現です。灰はキリスト教において「Trauer 悲しみ」「Buße 改悛」「Umkehr 改心」の象徴であると同時に、「Neuanfang 新たな始まり」と「seelische Reinigung 魂の浄化」も意味します。 灰を頭上などにまく風習の歴史は古く、古代中東の身内の死を悼んで死者の灰を頭の上や服に撒く習俗に遡ります。火葬が前提の習俗ですので、土葬文化であるユダヤ教・キリスト教とは本来無関係なのですが、死者への哀悼の象徴として今に受け継がれています。ちなみにインドではいまだに死者の灰を頭の上に撒く習俗が一部残っています。
灰は火で何かを燃やした後に残るものですから、物理的に火と密接に関わっています。火は多くのものを破壊し、灰をあとに残します。そうして灰を見た人類が何を思って来たか様々あると思いますが、火と灰ときたら、火の鳥・フェニックス・不死鳥を連想しませんか?フェニックスの元はエジプトの聖なる鳥ベンヌだったと言われていますが、自身を燃やした灰の中から再生する云々は後世の後付けです。そうした後付けがなされたのは、たとえば山火事などで木々が焼き払われ、灰だけが残っても、そこから新たに新芽が出て来るという経験則(再生)があったからです。 また、灰を水に溶かして灰汁にして洗浄剤として使う歴史も古く、しかも近代まで継続していましたので、そこから「灰イコール浄化」の連想も強固に働くわけです。
改悛や改心は、心理的に哀悼と浄化の間に位置付けることができますので、やはり灰で象徴されるようになったと考えられます。 旧約聖書の中の数か所にその結び付きが現れていますが、「灰を頭にかぶる」イコール改悛・改心という連想の直接的な原型は、旧約聖書の 2. Buch Samuel 13-19 サムエル記下13, 19「Tamar aber streute sich Asche auf das Haupt und zerriss das Ärmelkleid, das sie anhatte, sie legte ihre Hand auf den Kopf und ging schreiend weg. タマルは灰を頭にかぶり、来ていた長袖の着物を裂き、手を頭にのせて、叫びながら去って行った」にあります。 これが贖罪の儀式の起源となり、中世では Büßer 贖罪者が Aschermittwoch 灰の水曜日に Bußhemd / Bußkleid 苦行衣を着て灰をかぶって教会・共同体から追放され、40日間己の罪を悔い改めて、Gründonnerstag 聖木曜日に再び教会・共同体に迎え入れられました。現在灰の水曜日に、贖罪者か否かに関わらずすべての信者の額に祝別された灰の十字を置く風習にその名残があります。
7. den Ast absägen, auf dem man sitzt
意味: みずから墓穴を掘る、自分の利益に反する行動をする、自分の生活基盤を自ら奪う。 字義通りには「自分が座っている枝をのこぎりで切り落とす」
例文: Meinst Du allen Ernstes, der sägt den Ast ab, auf dem er sitzt?(訳例:君は本当に彼が自ら自分の生活基盤を壊すと思っているのか?)
So bescheuert können nur wir Deutschen sein: Den Ast absägen, auf dem wir sitzen. Dieses voreilige Krisengerede führt dazu, dass die Krise wirklich kommt.(訳例:こんなバカなのは我々ドイツ人だけだ。自ら墓穴を掘るなんて。この性急な危機論議の結果、危機が本当に来るのだ)
解説: この慣用句は大変説得力のある比喩だと思いませんか? 日本語の「墓穴を掘る」ですと、あまり迫りくる危機感がなく、「終活の一種?」と取られかねませんが、ドイツ語の「自分が座っている枝をのこぎりで切り落とす」ですと、いかにも、それをしてしまったら落下するしかないという差し迫った危険を自ら犯すバカさ加減がありありと伝わってきます。 この慣用句には、「自分が依って立つ基盤を自ら破壊する」というニュアンスが強いため、「墓穴を掘る」という日本語訳が適切でない文脈も多くあります。なので、字義通りのイメージで覚えておく方が、様々な文脈で真意が理解しやすいと思います。
Soweit die Zusammenfassung der Redewendungen, die in FB, Twitter oder Note als "Redewendung des Tages" täglich vorgestellt wurden. Wenn Ihr sie lieber täglich einzeln anschauen wollt, dann folget mir in den jeweilgen SNS.
In diesem Blog fasse ich die täglichen Beiträge zusammen und evtl. ergänzende Kommentare.
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