Die Redewendungen, die diese Woche (KW09/2021) in FB, Twitter oder Note als "Redewendung des Tages" vorgestellt wurden, werden hier zusammengefasst.
1.auf (den ersten) Anhieb
意味: 即座に、一発・一回で、初めての試みで。
例文: Das klappte auf Anhieb.(訳例:それは一発で成功した)
So auf Anhieb kann ich die Frage nicht beantworten.(訳例:ちょっと即座にはその質問にお答えすることができません)
解説: この慣用句の語源には3つ説があります。Duden Redewendungen und sprichwörtliche Redensarten にはそのうちの1説、木を伐採する際に斧を最初に持ち上げること der erste Hieb が Anhieb であるという説が採用されています。
2つ目の説は、Anhieb は anheben の名詞化であり、その動詞はただ「持ち上げる」という意味ではなく、「始める」を意味していたこともあったというものです。
3つ目の説は、古い学生組合の厳格な作法に則ったフェンシング(Mensurfechten)の試合において、試合開始のコマンドが「Los, der Anhieb!」だったことから来ているというものです。
1つ目の説も3つ目の説も持ち上げるものが斧か刀剣かの違いはありますが、最初に持ち上げることを指しているのは共通しています。 でも、「Auf Anhieb hat es geklappt(一発でうまく行った)」というふうに使われることが多いことを考えると、木を切る、特に斧で薪を割るイメージの方がふさわしいように思います。斧を一振りして、木・薪がきれいにスパッと切れるイメージです。 フェンシングだとそのようにスパッと勝負が付かないのではないでしょうか。
2.es darauf ankommen lassen
意味: (運など)に任せる、~任せにする。 (不定詞と)~となることも厭わない
例文: Er ließ es ganz kaltschnäuzig darauf ankommen, sein Amt zu verlieren.(訳例:彼はまったく無感情に、役職を失うリスクを取った)
Ich weiß nicht, ob das mit dem Deutschlernen klappt: ich lasse es einfach darauf ankommen.(訳例:ドイツ語の勉強がうまく行くか分からないけど、なるようになると思うことにするわ)
解説: この慣用句はどちらかというと上級者向けですね。ankommen の「着く、到着する」という一番最初に習う意味とは関係なく、「es kommt darauf an ~にかかっている、~次第である」という非人称用法の使役形です。ちょっと意味の派生がつかみづらいのではないでしょうか。 lassen は、特定の物事にすべてがかかっている、またはもう運を天に任すしかない(自分ではそれに影響を及ぼせない = es kommt darauf an)というような状況を「生じさせる」という使役の意味を担っています。 そういう状況を生じさせるとはどういうことでしょうか。1つには、やれることはすべてやった後で、後は待つしかないという状況があります。もう1つには、リスクヘッジのような対策を立てるなどのすべきこと・できることをやらずに行動を起こして、結果を運任せにするという状況です。 前者のニュアンスが強ければ abwarten、後者のニュアンスが強ければ riskieren で言い換えられます。共通しているのは将来の不確実性が強く意識されているということでしょうか。
3.etwas zum Anlass nehmen (, etwas zu tun)
意味: ~をきっかけにする、~を機会として利用する。 字義通りには「~を動機として取る」
例文: Wir möchten dies zum Anlass nehmen, um unseren Kunden weltweit für das in uns gesetzte Vertrauen zu danken.(訳例:弊社はこれを機に世界中のお客様に信頼をお寄せいただきましたことに感謝したいと思っております)
Viele Gläubigen nahmen den aktuellen Skandal zum Anlass, aus der Kirche auszutreten.(訳例:多くの信者たちは現在のスキャンダルをきっかけに教会から脱会した)
解説: der Anlass とは、起因、理由、根拠、機会など「何かを動かすもの・もと」を意味します。そこから派生した動詞 veranlassen は「~のきっかけを作る、~の手配を指示する」または「人に~するきっかけ(動機)となる」を意味します。つまり、コアな意味は「Beweggrund 動きの元」なんですね。それは物理・化学的な因果関係であることもあれば、それ以外の出来事や指示・命令、心理的な要因などでもあり得ます。 etwas zum Anlass nehmen という慣用句では、直接的な原因ではないものを意図的に「きっかけ」として利用することですので、そこにあるのは、心理的な要因・動機です。
4.einen neuen Anlauf nehmen
意味: 新たなスタートを切る、やり直しをする
例文: Wir gehen jetzt einen Schritt zurück, um einen neuen Anlauf zu nehmen.(訳例:今私たちは一歩下がって新たなスタートを切ります)
Ich bin durch die Fahrprüfung gefallen und nehme in sechs Wochen einen neuen Anlauf.(訳例:運転免許の試験に落ちてしまって、6週間後にやり直しするんだ)
解説: der Anlauf は、動詞 anlaufen(走り出す、どこかへ向かって走る)の名詞形で、ただ Anlauf nehmen(不定冠詞なし!)というと、「助走する」を意味しますが、不定冠詞付きで einen Anlauf (zu etwas) nehmen というと、「(~のための)スタートを試みる、下準備をする」を意味します。これに「neuen 新たに」を加えたのが上の慣用句です。 非常に使用頻度の高い言い回しなので、ぜひ覚えて積極的に使えるようにすることをお勧めします。
5.im Anmarsch sein
意味: 進軍・進撃中である、向かっているところである、兆しが見える
例文: Die feindlichen Truppen waren bereits im Anmarsch auf die Außenbezirke der Stadt.(訳例:敵の軍隊はすでに町の郊外に進軍中だった)
Eine Grippewelle ist im Anmarsch.(訳例:インフルエンザ流行の兆しが見える)
解説: この慣用句の字義通りの意味は1番目の「進軍・進撃中」で、動詞「marschieren 行進する」に接頭辞 an- によって接近の意味が加わった Anmarsch が中核となっています。 口語では、軍事的な意味合いではなく、ただ単に「(~へ)向かっている」ところであることを意味します。 「兆しが見える」というのは、つまり、何かが「こちらへ向かってくる、近づいてくる」ということですが、その「何か」が人やモノだけでなく、事態や現象でもあり得るので、日本語に訳す場合は「兆しが~」とした方が自然です。 日本語の訳語で覚えるのではなく、「何かがどこかに向かっているところ」というコアイメージで覚えることをお勧めします。
6.jemandem etwas hoch anrechnen
意味: 人の何かを高く評価する。 字義通りには「何かを人の勘定に高くつける」
例文:
Das rechne ich ihr sehr hoch an.(訳例:そのことで、私は彼女をとても高く評価している)
Ich rechne ihm hoch an, dass er gestanden hat.(訳例:彼が(罪を認めて)白状したのを私は高く評価している)
Ich muss dir ja mal hoch anrechnen, dass du immer mit der Bahn fährst und dich nicht wie jeder andere 'Promi' mit den dicksten Autos von A nach B fahren lässt.(訳例:あなたのことはちょっと認めないとね。だってあなたはいつも電車を使っていて、他の「セレブ」みたいにでっかい車でAからBまで送らせるようなことしないじゃない)
解説: jemandem etwas anrechnen は本来「何かを人の勘定につける、計算に入れる」ことを意味します。けれども、それに hoch(高く)を加えた場合、「計算に入れる」ではなく比喩的な意味で「考慮に入れる」つまり、「評価する」ことを意味します。
誰かの行動について、日本語でも「ポイントが高い」ということありますよね?実際にだれだれさんは何をしたから何ポイント、というふうに人を評価するポイント制の成績表みたいなものがあるわけではありませんが、そういうイメージをもって人の行動についてポイントを上げたり減点したりしていることがあるかと思います。この慣用句は、そういうポイントを人にあげる表現です。 逆に、誰か特定の人のところでポイントを稼ぐという場合は、bei jemandem punkten というふうに、まさに「punkten 点を取る」という言い方をします。
目的語として etwas に当たる名詞ではなく、dass 節が使われているものを例文としてご紹介しました。実際、頻度としては、jemandem hoch anrechnen, dass の構文の方が、高いです。
7.angesagt sein
意味: 必要である、目前に控えている。流行の最先端である。
例文: Ich habe gerade den aktuellen Kontoauszug gesehen - ab sofort ist Sparen angesagt!(訳例:いま、最新の口座明細を見たんだけど、今すぐに節約しないといけないわ!)
Für viele steht der Osterurlaub vor der Tür. Reisen sind aber wegen Corona leider nicht angesagt.(訳例:多くの人にとって間もなくイースター休暇ですが、新型コロナウイルスのため、旅行は残念ながら控えないといけません。)
Das ist jetzt mega angesagt.(訳例:これは今すごく流行ってるんだよ)
解説: angesagt sein は字義通りには「予告・通告されている」(状態完了)を意味します。つまり、予告されているから「目前に控えている」のであり、また、「流行の最先端」でもあり得ますし、通告されているから「必要なこと」でもあるわけですね。
以上が今週、FBのページやTwitterまたはNoteで毎日1つずつご紹介していった慣用句のまとめと補足です。1日1つずつの方がよいという方は、FBのページかTwitterまたはNoteをぜひフォローしてください。
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