Redewendungen der Woche 今週のドイツ語慣用句 KW14/2021

Aktualisiert: Apr 5

今週(2021年第14週)にFBのページTwitterまたはNoteでご紹介した「Redewendung des Tages 今日のドイツ語慣用句」をまとめてご紹介します。


1. die Arbeit Arbeit sein lassen

意味: 働かない、怠ける(休む)。 字義通りには「仕事を仕事のままにする」


例文: Komm, lass die Arbeit Arbeit sein!(訳例:さあ、仕事なんてやめよう!)


Hin und wieder Arbeit einfach Arbeit sein lassen(訳例:時には働くのを止めて休養を取る)


解説: ドイツ人は勤勉というステレオタイプがありますが、働きづめ(ワーカホリック)であることを美徳とする風潮はありません。時には「Lass die Arbeit Arbeit sein!」と言って人生を謳歌する、特にガッツリ長期休暇を取ってバカンスを楽しむことが重要視されています。 休むときは休み、働くときは働くことで能率をあげ、結果的に全体的な労働生産性が高くなるということなのではないでしょうか。



2. nach getaner Arbeit ist gut ruhn ( = ruhen).


意味: 「仕事をすませたあとの休息は快い」(小学館 独和大辞典) 字義通りには「仕事をすませた後は、よく休む」


例文: Nun ein schönes Wochenende, denn nach getaner Arbeit ist gut ruhn.(訳例:さあ、楽しい週末だ。だって「仕事をすませたあとの休息は快い」だからね。)


解説: この諺の出所は残念ながら不明なのですが、「nach getahner Arbeit sol man ruhen(仕事をすませた後は休息すべきだ)」という言い回しがすでに1659年に発行された Bucholtz, Andreas Heinrich の『Des Christlichen Teutschen Groß-Fürsten Herkules Und der Böhmischen Königlichen Fräulein Valjska Wunder-Geschichte(キリスト教トイツ大公ヘルクレスとボヘミア王女ヴァリスカの奇跡の物語)』に登場しています。 「仕事の後の休息」という発想自体は月並みですが、「gut ruhn」という言い方はちょっと変わっています。 この部分は、「man kann sich guten Gewissens ausruhen(心置きなく休める)」や「man darf sich zufrieden (und zu Recht) ausruhen(満足して休んでよい(その権利がある)」というドイツ語の解釈があります。小学館の訳「休息は快い」だと、そのニュアンスが今一つ伝わってないような気がしますね。


3. von seiner Hände Arbeit leben

意味: 自分自身が働いて生計をたてる。 字義通りには「自分の手の労働によって生活する」


例文: Mönch ist, wer von seiner Hände Arbeit leben kann - so lautet die alte Regel des Benediktinerordens.(訳例:「修道士とは、自分自身の働きから得られるもので生きる者のことだ」というのが、ベネディクト会の古い規則だ)


In den ersten Monaten fiel es ihm sehr schwer, von seiner Hände Arbeit zu leben.(訳例:最初の数か月は、彼自身が働いて生計を立てるのは難しかった)


解説: この慣用句は【雅語】に分類される言い回しです。seiner Hände Arbeit は現代ドイツ語の通常の語順であれば 「Arbeit seiner Hände」となるところですが、属格が前置される形で定着している慣用句であるため、置換はできません。 意味するところは「手を使った労働」全般です。イメージとしてはどちらかというとキツイ肉体労働ですね。 だから、ベネディクト会のモットー「ora et labora 祈り、そして働け」にぴったり合うわけです。 日本語では「あくせく働いて生計を立てる」「汗水たらして働いて生計を立てる」という感じでしょうか。

労働組合などがこの慣用句を使う場合は、「賃金労働」全般を指します。「Jeder muss von seiner Hände Arbeit leben können(各人が自身の労働によって生計を立てることができなければならない)」という提言がありますが、この場合、「賃金労働で生計を立てられるように十分な賃金が支払われるべきだ」という主張が根底にあります。 でもここでもやはり「肉体労働」のイメージがちょっと付きまとっていると思います。というのは、(単純な)肉体労働は頭脳労働に比べて低賃金ですから、そうした低賃金セクターの労働者でも普通に生計を立てられる(最低)賃金が求められているということでしょうから。高給取りの頭脳労働者はわざわざ労働組合が要求しなくても生計を立てる以上の賃金を得ていますものね。


4. Wer nicht arbeitet, soll auch nicht essen.


意味: 働かざるもの食うべからず。


解説: この慣用句は新約聖書の Der zweite Brief an die Thessalonicher テサロニケ人への第二の手紙の第3章10に登場する文言「Wer nicht arbeiten will, der soll auch nicht essen.(働こうとしない者は、食べることもしてはならない〔日本聖書協会1985年による訳〕)」に由来しますが、この労働モラル自体は宗教を否定する共産主義・社会主義国でむしろ積極的に取り入れられ、労働が市民の義務とされました。

聖書にある「働こうとしない者」とは、「働けるのに働こうとしない者」であり、病気や障害あるいは非自発的失業により「働きたくても働けない人」や乳幼児などの「そもそも働けない者」は含まれていないのですが、物質的にも精神的にも貧しい社会では「働けるのに働こうとしない者」も「働けない者」も一緒くたにして【怠け者】のレッテル、【社会の寄生虫】のレッテルすら貼られてしまうことがあるのは嘆かわしいことですね。 日本語の「働かざるもの食うべからず」も近世の翻訳なので、日本では本来このような労働倫理感は一般的ではなかったような印象を受けますが、「(五)穀潰し」「無駄飯食い」「ただ飯食い」「無為徒食」などのネガティブな表現が多くあることを鑑みると、やはりその根底に「働かざるもの食うべからず」と共通する考え方があると見てよさそうです。やはり養う立場の者から見れば、何も貢献せずにただ寝食を享受し、食い扶持に見合う働きをしない存在は負担でしかなく、貧しさが極限に達すれば、本来働けず、また働く必要もない子供でも「口減らし」せざるを得なくなることもありましたものね。


5. ein Arbeiterdenkmal machen


意味: 無為にぶらぶらする、ぼんやりと立っている 字義通りには「労働者記念碑をやる」


例文: Einer schippte die Erde aus der Grube, die drei anderen machten ein Arbeiterdenkmal.(訳例:一人が穴からシャベルで土をすくい出し、他の三人はただぼんやりと立っていた)


解説: この慣用句はというスマイリーを入れるのがふさわしいユーモアを交えた表現です。Arbeiterdenkmal は労働者を讃える彫像のことですが、写真のようにただ道具を持って立っている労働者の像です。



つまり、立っているだけで仕事をしていないわけです。 そういう人、時々いますよね。仕事場に居るには居るけれども、指示待ちなのか何なのか分かりませんが、ぼんやりと立っていて何もしていない人。まさにその状態が ein Arbeiterdenkmal machen です。

知らないと「労働者記念碑を作る」と訳してしまいそうな言い回しですが、前後の文脈からそれでは意味が通らないことが分かるのではないかと思います。


6. im Argen liegen


意味: 乱雑な状態にある、然るべき状態にない。 字義通りには「悪い・酷い・嫌な状態にある」


例文: Das liegt schon seit Monaten im Argen.(訳例:それはもう何か月も前からおかしな状態になっている)


Bei der Betreuung der Flüchtlinge liegt noch vieles im Argen.(訳例:難民の対応に関しては、まだ至らない点が多くある)


解説: この慣用句は、「im + 形容詞 + liegen(~の状態にある)」の定型に従っており、意味的にも字義通りの意味からほとんど離れていないので、理解して覚えるのに問題はないと思います。

arg という形容詞は「悪い・酷い・嫌な」というネガティブな意味で、「die Arglist 悪だくみ」「der Argwohn 邪推・猜疑」「verargen 悪く取る・恨みに思う」などの派生語があります。 しかし、この形容詞自体の語源を見ると、面白いことに「震撼させる」が本来の意味だったようです。印欧語の *ergh- に由来し、ギリシャ語の ὀρχεῖσθαι(オルケイスタイ、揺らす・跳ねる・踊る)と語源が同じです。つまり、管弦楽団を指す「オーケストラ」 とも語源が一緒なわけですね。「震わす」というコアな意味からずいぶんと違う発展を遂げたものだと思いませんか。



以上が今週、FBのページTwitterまたはNoteで毎日1つずつご紹介していった慣用句のまとめと補足です。1日1つずつの方がよいという方は、FBのページTwitterまたはNoteをぜひフォローしてください。

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