ドイツ語の時刻表現は、24時間制の公式表現以外は結構な曲者です。
慣れるまでは24時間制以外の時刻表現だと勘違いしてしまって、待ち合わせの時間に1時間遅れてしまうなんてこともありますので、気を付けましょう(笑)
公式の時刻表現
公式の時刻表現 (die offizielle Uhrzeit) は、24時間制で、「Es ist ... Uhr ...」という定型文を使います。
8.00: Es ist acht Uhr. 8.05: Es ist acht Uhr fünf. 8.10: Es ist acht Uhr zehn. 8.15: Es ist acht Uhr fünfzehn. 8.20: Es ist acht Uhr zwanzig. 8.25: Es ist acht Uhr fünfundzwanzig. 8.30: Es ist acht Uhr dreißig. 8.35: Es ist acht Uhr fünfunddreißig. 8.40: Es ist acht Uhr vierzig. 8.45: Es ist acht Uhr fünfundvierzig. 8.50: Es ist acht Uhr fünfzig. 8.55: Es ist acht Uhr fünfundfünfzig. 9.00: Es ist neun Uhr.
20.00: Es ist zwanzig Uhr. 20.05: Es ist zwanzig Uhr fünf. 20.10: Es ist zwanzig Uhr zehn. 20.15: Es ist zwanzig Uhr fünfzehn. 20.20: Es ist zwanzig Uhr zwanzig. 20.25: Es ist zwanzig Uhr fünfundzwanzig. 20.30: Es ist zwanzig Uhr dreißig. 20.35: Es ist zwanzig Uhr fünfunddreißig. 20.40: Es ist zwanzig Uhr vierzig. 20.45: Es ist zwanzig Uhr fünfundvierzig. 20.50: Es ist zwanzig Uhr fünfzig. 20.55: Es ist zwanzig Uhr fünfundfünfzig. 21.00: Es ist einundzwanzig Uhr.
午前午後
口語では、午前午後で分ける12時間制による時刻表現が一般的です。ただし、英語のように午前には自動的に a.m. 午後には自動的に p.m. をつけるというようなことはしません。
午前2時や3時であれば、「zwei/drei Uhr nachts」のように「夜中の2/3時」ということの方が多いですし、朝方と言える時間帯であれば、「sieben (7) Uhr morgens」や「sieben (7) Uhr in der Frühe」のように言います。
おおよその時間帯と、時刻の後に追加する時の副詞は以下のようになります。
0.00 - 3.00: nachts。すでに morgens ということも可能です。
4.00 - 9.00: morgens
10.00 - 11.50: vormittags
11.50 - 12.10: mittags。正午は12時のことですが前後10~15分くらいを含めて mittags ということも可能です。
12.10 - 17.50: nachmittags
18.00 - 24.00: abends。「夜遅く」という感覚を強調したい場合は、nachts を使うことができます。
厳密な規則があるわけではないので、使い分けは感覚的なものです。
何時半、15分、45分
1時間60分を4分割すると、15分刻みになるので、「何時15分、何時半、何時45分」には特別な言い方があります。
これには、ドイツでは2つのシステムがあります。1つは、前置詞の vor(前)と nach(後)を使い、もう1つは前置詞をまったく使わないシステムです。語学学校などで教えられるのは、前置詞を使ったシステムですので、まずはそちらから説明します。
15分は4分の1時間を意味する Viertel で表します。
10.15: Viertel nach zehn = 10時15分過ぎ
10.45: Viertel vor elf = 11時15分前
10時45分の場合は、「Viertel 4分の1」と数字の「elf 11」を聴いて、つい「11時15分」などと頭の中で変換しがちですが、「前」を意味する前置詞 vor がとても重要な役割を果たしているので、注意が必要です。
「何時半」を表すには、「半分」を意味する halb を使います。「~時に向かって半時間」という表現です。
10.30: halb elf = 11時に向かって半時間
これも、「半分」と数字の「elf 11」を聴いて、つい「11時30分」などと頭の中で変換しがちですが、そうすると約束の時間に1時間遅れることになってしまいますので、要注意です。「~時に向かって半時間」ということに慣れるまでは、「halb ...」という時間を聞いたら「... dreißig」と言い直して確認を取ることをお勧めします。
さて、前置詞を使わないもう1つのシステムですが、こちらは一貫して「~時に向かって」という表現です。
10.15: viertel elf = 11時に向かって4分の1
10.30: halb elf = 11時に向かって半時間
10.45: drei viertel elf = 11時に向かって4分の3
ちなみに、細かいことですが、前置詞を使わない場合の「4分の1」は小文字で書きます。通常はこれを書く機会はないかと思いますが。
先に「ドイツでは」と断りを入れましたが、それはなぜかと言うと、実はスイスとオーストリアには別の言い方があるからです。
下の地図は、10:15の言い方の分布図です。
水色の地域が前置詞の vor(前)と nach(後)を使う地域で、紫色の地域が前置詞なしの地域、そしてスイスでは緑色で、前置詞「nach」の代わりに、前置詞「ab」を使い、オーストリアの一部では、前置詞「über」を使います。
何分前・何分後
前置詞の vor と nach を使って「何時何分前・何分後」という言い方も一般的です。
X時20分までは、前置詞 nach を使い、X時40分以降は前置詞 vor を使って、「X時何分前」という言い方をします。
10.05: fünf nach zehn
10.10: zehn nach zehn
10.20: zwanzig nach zehn
10.40: zwanzig vor elf
10.50: zehn vor elf
10.55: fünf vor elf
少しややこしい表現になりますが、X時25分~35分は「halb Y(X時半/Y時に向かって半時間)」を起点に前か後かを前置詞で表します。
10.25: fünf vor halb elf
10.30: halb elf
10.35: fünf nach halb elf
時間を尋ねる疑問文と答え
一般に、「今、何時ですか」という疑問文は以下の2つです。
Wie spät ist es?
Wieviel Uhr ist es?
これらの疑問文の答えは、上の時刻表現をそのまま使います。
(Es ist) 18 Uhr / 6 Uhr (abends).
出だしの「Es ist」は省略することが多いです。
これに対して、「何時に」または「いつ、何かが起こるか(起こったか)」を尋ねる場合、
Wann ...? いつ
Um wieviel Uhr ...?
という疑問文になります。
この場合は、時刻の前に前置詞 um を付けます。
Wie spät ist es? – 14.00 Uhr. 今何時ですか?-14時です。
Wann kommst du? – Um 14.00 Uhr. いつ来るの?-14時に。
「1時」という場合は、Uhr がある時は、無変化の ein を使い、Uhr がない場合は 中性形の eins となるので注意が必要です。
Wie spät ist es? – Es ist ein Uhr./Es ist eins.
Wann kommst du? – Um ein Uhr./Um eins.
フランス語やスペイン語などのロマンス語系の言語を学んだことがある方には、奇異に映るかもしれませんが、ドイツ語では Uhr が女性名詞であるにもかかわらず、数字の「1」は女性形にはならず、無変化なのです。
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